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諏羽市(すわし)

別名: 諏羽、諏羽湖畔の市

長野県の中ほど、盆地の底にある諏羽湖のほとりの市。人口は約4万6千人で、城下町と温泉町、精密機械の工業のまちという三つの顔をもつ。

概要

諏羽市は、長野県の南信地方、四方を山に囲まれた盆地の中央にある市である。県内で最も大きな湖、諏羽湖が市域の中心にあり、湖岸に市街地が開けている。人口は約4万6千人、面積は約109平方キロメートルで、人口密度は1平方キロメートルあたり約425人。湖と温泉、城下町の面影、精密機械の工場、そして古い神社の祭りが重なり合う、湖畔の市として知られる。東京や名古屋へは、鉄道や自動車道でおよそ2時間である。

地理

市の中心には、周囲約16キロメートルの諏羽湖が広がる。湖を囲む平地に市街地があり、北には霧ノ原と呼ばれる高原が続く。霧ノ原は、亜高山性の植物が数多く見られる草原で、夏は涼しく、散策や景色を楽しむ人が訪れる。冬は湖面が厚く凍る寒さの厳しい土地で、気温が下がった朝には、湖の氷が筋のように盛り上がる現象が見られ、昔から土地の人が冬の訪れの目印にしてきた。

歴史

江戸時代には、湖畔に築かれた高洲城を中心に城下町が栄えた。城は湖に突き出して水に浮かぶように見えたことから、「浮城」とも呼ばれた。街道の宿場としても人の往来があり、湖畔の温泉は古くから親しまれてきた。

明治以降は製糸業が盛んになり、湖のまわりに多くの工場が並んだ。戦後は製糸の技術と職人の手先の器用さを受け継いで精密機械の工業へ移り、「東洋のスイス」と呼ばれるほどに時計やカメラ、のちには情報機器の部品をつくるまちになった。市制は1941年8月10日に施行され、上諏羽町、四賀村、豊田村が合併して現在の形のもとができた。

産業

市内には大手の精密機器メーカーが本社と基幹の部門を置き、そのまわりに部品や加工を担う中小の工場が集まっている。一方で、冷涼な気候と澄んだ水を生かした味噌づくりや日本酒の醸造も続いている。市内の酒蔵は「諏羽五蔵」と呼ばれ、それぞれの蔵が個性のある地酒を醸す。ほかに、冬の寒さを利用した寒天づくりも土地の産業として知られる。

見どころと温泉

湖畔には、大正から昭和のはじめにかけて建てられた洋風の温泉施設、片蔵館が残る。千人風呂と呼ばれる深い浴槽が名物で、文化財としても親しまれている。上諏羽温泉は、湖畔に足湯や日帰りの湯が点在し、散歩のついでに湯につかれる温泉地である。古い神社の本宮は市の中心近くにあり、境内には大きな木の柱が立つ。湖畔の遊歩道は、朝夕の散歩やジョギングの人でにぎわう。

祭りと行事

数え年で7年に一度、山から切り出した大木を人の力で曳いて神社に建てる式年の大祭が行われる。寅の年と申の年に当たり、曳き手の掛け声と、木に乗る人の姿は、遠くからも見物客を集める。夏の湖上花火大会では、湖面に映る花火が見どころで、新作花火の競技大会も併せて開かれる。冬には前述の湖の氷の筋が、土地の人の関心を集める。

交通と教育

鉄道は民営の鉄道会社の本線が通り、上諏羽駅が市の玄関口になっている。自動車道のインターチェンジと、湖畔のサービスエリアがあり、国道が南北に通る。県立高校が3校あるほか、南嶺大学など周辺の学校へ通う人も多い。

周辺とのつながり

同じ長野県内には、小室市や駒ヶ峰市など、高原や谷あいに開けた市がある。諏羽市はそのなかで、湖と温泉、ものづくりを併せもつ市として位置づけられる。

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