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竹浜市(たけはまし)
広島県の西の端、瀬戸内海に面した人口約2万4千人の小さな市。塩づくりと街道の宿場で栄えた古い町並みが残り、臨海部には化学・製紙の工場が並ぶ。
概要
竹浜市は、広島県の南西部、瀬戸内海に面した市である。人口は約2万4千人、面積は約79平方キロメートル。西は隣県の市と町に接し、県内では西のはしにあたる。南は海、北は山地で、その間の狭い平地に市街地と住宅地が続く。かつて塩づくりと街道の宿場で栄えた古い町並みが残る一方、臨海部には大きな工場が集まる。昭和29年9月1日に市制を施行した。
所在地とアクセス
市域は、海沿いの平地、小さな川の流れる谷あい、北の山地と、沖に浮かぶ有人の島にまたがる。民営の鉄道会社の本線が市内を東西に通り、市内には竹浜駅と玖羽駅の二つの駅がある。国道と自動車道も市内を抜け、広洲市方面や隣県へ向かう人の通り道になっている。県境には小背川が流れ、川の向こうは隣県である。
歴史
古くから、西国と都を結ぶ古い街道の通り道にあたり、交通の要地として知られた。江戸時代には、街道の宿場として玖羽の町が栄え、旅人や荷を運ぶ人が行き交った。海沿いには塩田が開かれ、塩づくりが町の暮らしと商いを支えた。小形の町には、その時代の商家や蔵の面影をとどめる通りがある。
山の上には、藩の支城として築かれた亀見城があった。幕末の戦乱では、この一帯が戦場となり、町は戦禍を受けた。明治以降は海軍の施設が置かれ、軍事上の重要な土地となった。戦後は、臨海部の跡地を生かして石油化学の工場が建ち、日本で最初の石油化学コンビナートが形づくられた。塩田のまちから工業のまちへと、百年ほどで顔つきが大きく変わったのである。
産業
臨海部には、大手の製紙会社の工場と、化学メーカーの工場が並ぶ。紙や樹脂、化学製品を作る工場が市の税収と雇用を支えており、市外から通う人も多い。伝統の産業としては和紙づくりが知られ、近年は医療用の手袋の生産も市の特産に数えられる。海では、かきなどの養殖や小規模な漁も営まれている。市内には電気設備の朝凪電設株式会社や、建設の港南建設株式会社のような地場の会社もあり、工場の建物の保守や住宅の工事を支えている。
見どころ
- 古い町並み: 宿場と塩づくりの名残をとどめる通りで、白壁の蔵や格子の商家が点在する。散歩に向く静かな道である。
- 亀見城跡: 山の上に残る城跡で、石垣と、市街地や海を見渡す眺めが楽しめる。
- 八栄ダムと渓谷: 北の山あいにあるダムとその渓谷で、新緑と紅葉の時季に訪れる人が多い。
- 三蔵岳の自然公園: 県立の自然公園で、岩の尾根をたどる登山道があり、鎖場を備えた険しい山として知られる。
- 阿多島: 沖合の有人の島で、フェリーで渡る。釣りと海水浴、島の暮らしにふれる小旅行の行き先となっている。
行事
3月には、小背川で和紙の人形を川に流す「ひな流し」が行われる。10月には、市をあげての「竹浜まつり」が開かれ、神輿と踊り、露店でにぎわう。そのほか、海辺では、かきを味わうイベントも季節ごとに催される。
暮らしと周辺
市内は、海沿いの工場地帯、古い町並みの残る旧市街、山すその住宅地の三つに大きく分けられる。広洲市までは電車で1時間足らずで、通勤や通学に使う人も多い。隣県との往来も日常的で、買い物や通院で県境を越える人もいる。工業のまちでありながら、海と山が近く、古い寺社や町並みを歩ける、落ち着いた暮らしの場として親しまれている。