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鳥居坂の小さな神社(とりいざかのちいさなじんじゃ)

別名: 鳥居坂の神社、鳥居坂神社

佐賀県内の田園地帯にある、石段と古い石の鳥居をもつ小さな神社。近所の人が犬の散歩の折り返し地点にするなど、日々の暮らしに溶け込んでいる。

概要

鳥居坂の小さな神社は、佐賀県白岩町の平地に鎮座する、石段のある小さな神社である。地元では「鳥居坂の神社」と呼ばれ、参道の入口にある古い石の鳥居と、長く続く石段が目印になっている。祭神は五十猛命と大屋津姫命で、木や森の神として古くから祀られてきた。派手さはないが、毎日のようにお参りに訪れる人や、犬の散歩の折り返し地点として石段の下まで足を運ぶ人が絶えない。

所在地とアクセス

所在地は佐賀県白岩町の辺野田地区である。最寄りの鉄道駅から車で10分ほどで、高速道路のインターチェンジからも車で15分ほどの距離にある。周囲は田んぼと集落が広がる穏やかな土地で、参道の入口まで車で行ける。境内は散策に適していて、石段の上り下りのほかは大きな段差も少ない。ただし石段が長いため、ベビーカーや車いすでの参拝は難しい。

歴史

創祀の年代ははっきりしないが、社伝では天地開闢のころに五十猛命を祀ったのが始まりと伝えられる。記録のうえでは、平安時代の史書『日本三代実録』の貞観3年(861年)8月24日の条に、この地の神が従五位下を授けられたとあるのが最初で、このとき近隣の二つの神とあわせて叙位されている。続いて元慶9年(885年)には従五位上に進められた。古くから格のある神社として扱われ、その後も氏子に支えられて社殿と参道が整えられてきた。

鳥居と石段

鳥居坂の名の由来となった石の鳥居は、天正13年(1585年)の銘をもつ。柱が三本継ぎで、高さはおよそ3.8メートル。下半部に重心のある重厚で安定感のある姿をしており、笠石と貫は軽やかで華奢な造りである。凝灰角礫岩と安山岩という異なる石材を組み合わせているのも特徴で、柱の上段には簡単な銘文だけが刻まれている。この地方に多い、柱が太く笠石の反った形式の石鳥居の一つで、令和3年度に県の重要文化財(建造物)に指定された。

参道は自然石を敷き詰めたもので、県内で最も長い部類に入る。享保2年(1717年)には、氏子たちが幅四間、長さ八間あまりの石の階段を寄進したと伝わる。苔むした石段は雨上がりには滑りやすいが、季節ごとに木々の色が移ろい、散歩の途中に足を止める人も多い。

行事と利用

秋の例祭は10月19日に行われ、この地方の言い方で「おくんち(供日大祭)」と呼ばれる。氏子はくんち装束に身を包み、御神輿を担いで行列をつくる。例祭では流鏑馬も催され、静かな境内がこの日ばかりはにぎわう。正月の初詣には、近所の人が家族そろって訪れる。日ごろは、朝夕に参拝する人や、犬の散歩の折り返し地点として石段の下で一息つく人の姿が見られる。

周辺

周囲には田園と、のどかな集落が広がっている。参道を歩いて鳥居をくぐると、外の道路の音が遠のき、境内の木立の中で時間がゆっくり流れているように感じられる。大きな観光地ではないが、古い石の鳥居と長い石段を目当てに、遠くから訪れる人もいる。地域の人にとっては、季節の節目や日々の散歩で足を向ける、身近な鎮守の社である。