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浦光製麺(うらみつせいめん)
長崎県の島浦市にある、手延べ麺の製造会社。1948年の創業で、従業員は約40人。湧き水と冬の寒さを生かした細い手延べそうめんを作り、贈答用と通販を中心に全国へ届けている。
概要
浦光製麺は、長崎県の島浦市にある手延べ麺の製造会社である。1948年に創業し、従業員は約40人。主力は極細の手延べそうめんで、ひやむぎやにゅうめん用の麺、うどんなども手がける。原料の仕入れから、生地づくり、延ばし、乾燥、袋詰め、出荷までを、同じ敷地の中で行っている。
水は、市の城下町を潤す山の湧き水を使う。塩も、近海の海水から作った平釜塩を選んでおり、水と塩の味が麺のこしの強さとすっきりした風味につながるとしている。
沿革
この地方の手延べそうめんの起源には、二つの説が伝わる。一つは、江戸時代の初めに起きた島浜の乱で人口が激減したあと、移民政策のなかで瀬戸内の小豆洲から職人が移り住み、製法を広めたという説。もう一つは、1562年に港が開かれたとき、大陸から南蛮や中国の文化とともに伝わったという説である。製造の工程や道具は大陸のものとよく似ているといわれる。
浦光製麺は、戦後まもない1948年に、家族数人の小さな製麺所として始まった。当初は近所の農家が冬の農閑期に麺を作る手仕事の延長で、地元の商店と近隣の集落に卸すのが中心だった。昭和の後半には、百貨店や土産物店の贈答用に出荷が広がり、乾燥室と作業場を増築して今の規模に近づいた。2000年代に入ってからは、通信販売と、ふるさと納税の返礼品への出荷にも力を入れている。
製法
手延べそうめんは、小麦粉と塩水を練る「生地づくり」から始まる。生地は薄く延ばして帯状に切り、油を塗りながらより(縄のようにねじる作業)をかけて細くしていく。熟成をはさんで、まず太い縄状から細い縄状へと、何度かに分けて延ばし、最後に「かけば」と呼ぶ木の枠にかけて、箸で引いて、人の腕の長さほどまで細く延ばす。
延ばした麺は、風通しのよい乾燥室で干して仕上げる。これを決まった長さに切りそろえ、束にする。工程のほとんどは人の手と目で行われ、気温や湿度に合わせて塩水の濃さや熟成の時間を変える。手延べの技術には国の技能検定があり、浦光製麺の職人にも資格をもつ人がいる。
仕込みは、空気が冷えて乾く冬(11月ごろから翌年の春)に集中する。麺の作り手はこの時期、夜明け前に仕事を始め、昼までに延ばしの作業を終えるのが習いとなっている。夏は、保管している麺の袋詰めと出荷に回る。
商品
主な商品は、次のとおり。
- 手延べそうめん:極細で、つるりとした口当たりと、のどごしのよさが特徴。木箱入りの贈答用(50グラムの束を数十束)と、家庭用の袋入りがある。
- 手延べひやむぎ:そうめんよりやや太く、夏の冷たい麺として出している。
- 手延べうどん:太めの乾麺で、鍋物や煮込みに向く。
- にゅうめん用の細麺:温かい汁で煮ても伸びにくい。
乾麺なので長く保存でき、冷やしても温かくしても食べられる。倉庫で1年以上寝かせた「古物(ひねもの)」は、麺の脂が落ち着き、こしが増すとして、毎年少量が売り出される。
工場と所在地
本社と工場は、島浦市の郊外、湧き水の流れる谷あいにある。作業場、乾燥室、保管の倉庫、袋詰めと出荷の棟が並び、麺を干す季節には、屋外の干し場にも細い麺がすだれのように掛かる。工場のそばには小さな直売所があり、見学の客の応対と、訳あり品の販売もしている。
地域とのかかわり
長崎県は、兵庫県に次ぐ手延べそうめんの産地で、とくに島浦市と隣の市に製麺所が集まる。浦光製麺は、地域の製麺所とともに、産地の名前を守るための品質の取り決めに加わっている。
地元の農業高校の生徒の実習や、小学生の工場見学を受け入れ、麺をのばす体験の機会も設けている。市内の祭りやイベントでは、冷たいそうめんを提供し、島浦の湧き水と手延べ麺の組み合わせを紹介している。