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八緒市(やおし)

別名: 八緒、やおし

大阪府の中部にある、ものづくりの町工場が多い人口約25万人の市。かつての木綿の産地から、歯ブラシなどの製造業のまちへ育ち、小さな空港も抱える。

概要

八緒市は、大阪府の中部にある市です。面積は約42平方キロメートル、人口は約25万人で、1990年ごろの約28万人をピークにゆるやかに減っています。市内には製造業の事業所が約3,000社あり、その多くが従業員数十人以下の町工場です。製造品の出荷額は、隣の大きな工業都市を上回る年もあり、府内でも指折りの「ものづくりのまち」として知られます。

地理と交通

市は大阪府の中部に位置し、西側は平野の住宅地と工場地帯、東側は生駒の山並みに続く丘陵と山すそです。市内には民営の鉄道会社の本線と、私鉄の2本の路線が通ります。私鉄の駅は乗降客が多く、市の中心駅として商店街や市街地の核になっています。本線の駅は、2013年に橋の上に駅舎を設ける形へ新しくなりました。南北には近畿を結ぶ自動車道が走り、工場からの荷の動きを支えています。市の西部には小さな空港があり、定期の旅客便はありません。

歴史

中世の寺内町として栄えた町並みが、いまの市街地のもとになりました。奈良時代には、この地に離宮が築かれたと伝えられます。江戸時代の中ごろ、大きな川の流れを付け替える工事が行われると、跡地の砂地では綿の栽培がさかんになり、地元の木綿として全国に出回りました。その後、綿づくりが衰えると、人々は繊維やブラシの製造へと仕事を移しました。昭和に入って1940年代からは、金属加工、機械、化学、プラスチックなどの工場が次々に生まれ、ものづくりのまちに育ちます。市制が施行されたのは1948年4月1日です。

産業の特徴

ブラシ産業は市の看板で、なかでも歯ブラシの生産量は国内で最も多く、全国の約4割を占めるとされます。ほかにも、金属部品や機械、ゴム・プラスチック製品、印刷、食品加工など、多様な業種の町工場が住宅のすぐ隣に並びます。特徴は、小さな工場がたがいに仕事を分け合い、試作から量産までを近所の工場同士でこなせることです。農業では、若ごぼう、紅タデ、えだまめが特産で、市内の畑から出荷されています。工場と畑が同じ平野に並ぶ景色が、このまちらしさです。

空港と文化・行事

市内の空港は、1933年に飛行学校として始まった歴史ある施設です。滑走路が交差する珍しい形で、現在はパイロットの訓練、航空写真の撮影、遊覧飛行に使われ、災害時には救援活動の拠点にもなります。文化面では、寺の境内の踊りに由来する盆踊りの歌が、まちの誇りとして受け継がれ、夏には各地で輪ができます。文化会館は1988年に開館し、古墳を復元した公園や、1971年に開園した大きな緑地は、散歩や催しの場になっています。2006年には大型の商業施設も開業しました。

暮らしとまちのつながり

市の南部には私立の保育園としてすまいる保育園があり、働く親の多いまちの暮らしを支えています。商店街には中華そば 麦ふくのような小さな飲食店が並び、工場で働く人や近所の人の昼どきをにぎわせています。ものづくりの町工場と住宅地、畑が近くに共存するのが八緒市の姿で、町工場の技術を次の世代へつなぐ取り組みも、市や商工関係の団体を中心に進められています。

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