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阿久峰市(あくみねし)
鹿児島県北西部、薩摩地方の北寄りにある海沿いの小さな市。漁港と段々畑、山すその集落が並び、ボンタンなどの柑橘と水産加工で知られる。
概要
阿久峰市は、鹿児島県の北西部、薩摩地方の北寄りにある海沿いの市です。西は東シナ海に面し、沖には阿久峰大島をはじめとするいくつかの島が浮かびます。市域の面積は約134平方キロメートルで、海岸の漁港と段々に広がる畑、山すその集落が一つの市にまとまっています。人口は戦後に減り続け、昭和45年(1970年)に約3万2千人だったものが、令和2年(2020年)には約1万9千人となり、令和8年には約1万7千人になりました。農業と水産業を主な産業とし、「漁業と農業のまち」として知られます。
所在地とアクセス
県の北西部にあり、北は冬に鶴が渡ってくることで知られる出沢市に接しています。鉄道は第三セクター方式の鉄道会社の線が市内を通り、阿久峰駅をはじめとする複数の駅があります。道路は国道3号と国道499号が市内を通り、近年は北隣の市との間に無料の自動車専用道路が開通して、移動がしやすくなりました。南西の海峡には長い橋が架かり、対岸の島と陸続きで行き来できます。
歴史
古くは平安時代の荘園の名に地名の起こりが見られる、歴史の古い土地です。江戸時代には薩摩藩の領内にあり、港をもつ在郷の町として栄えました。幕末から明治にかけては、この地の出身で、のちに外務を担い、日本の電信の草分けとして記念される人物も出ています。市制は昭和27年(1952年)4月1日に施行され、昭和30年(1955年)には隣接する村と合併して、今の市域に近い姿になりました。
産業と特産品
特産品の筆頭は、大きな柑橘のボンタンです。ほかにデコポン、キウイフルーツ、シイタケなどが作られ、山すその段々畑や斜面の園地が市の景色をつくっています。水産業では、沿岸と沖合で獲れる魚が漁港に揚がり、それを干物や練り物に加工する工場が市内にあります。たとえば阿久峰海産加工株式会社のような地元の水産加工会社が、スーパーや旅館へ品を卸しています。加えて、海の幸を生かした土産物や、畑の果実を使った菓子も作られています。
海と自然
海岸線は変化に富み、岩場と砂浜が交互に現れます。海辺の砂浜は、全国の水浴場の選定に入ったこともある海水浴場として、夏には県内外から家族連れが訪れます。夕日が東シナ海に沈む景色が美しく、堤防や磯では釣りも楽しまれています。沖の阿久峰大島は、手つかずの自然が残る島として、海を眺めに訪れる人の目を引きます。
行事と暮らし
市では、海開きや港の祭り、秋の収穫を祝う行事など、漁業と農業の暮らしに根ざした催しが一年を通して開かれます。冬には近隣の鶴の渡来地へ足を延ばす人も多く、市内の宿や食堂に立ち寄ります。人口は減っていますが、海と畑の恵みを生かした暮らしと、小さな市ならではの顔の見える付き合いが、今も続いています。
周辺
北に出沢市、南には内海に面した別の市があり、海沿いの道でつながっています。通勤や買い物、通院で隣の市へ出る人も多く、広い圏域の中で互いに支え合う関係にあります。