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東松野市(ひがしまつのし)
埼玉県のほぼ中央に位置する人口約9万人の市。私鉄沿線のベッドタウンであり、いちごの産地に近く、豚肉のやきとりのまちとして知られる。
概要
東松野市は、埼玉県のほぼ中央に位置する市である。県内では「埼玉県のへそ」を名乗り、北緯36度の線が市内を通ることでも知られる。面積は約65平方キロメートル、人口は約9万人で、都心へ通う人が暮らすベッドタウンの顔と、田畑や丘陵の緑が残る郊外の顔をあわせもつ。鉄道が通る便のよさと、いちごの産地に近い土地柄から、「鉄道といちごの産地に近い市」と紹介されることが多い。
位置と地勢
市域は県中部の台地と丘陵、その間を流れる川沿いの低地からなる。標高はおよそ13メートルから135メートルまでで、東部や北部に平坦な低地、西部に雑木林の丘陵が広がる。丘陵の一帯は散策に向き、里山の風景が残る。市の北寄りには農地が多く、野菜や果樹、いちごの栽培が営まれてきた。
歴史
中世にはこの一帯に城が築かれ、のちに城下を中心とした町場が形づくられたと伝わる。江戸時代には街道沿いの在郷町として市(いち)が立ち、周辺の村々の物資が集まった。明治期に町村制が敷かれると、中心の町は周辺の村と合わせて町となり、昭和29年(1954年)7月1日に市制を施行した。昭和後半には高速道路のインターチェンジが設けられ、工業団地や住宅地の開発が進んだ。
交通
市の玄関口は東松野駅で、武蔵北電鉄の本線が通る。都心のターミナル駅までは、速達列車の利用でおよそ40分台で結ばれ、通勤・通学の足になっている。南北に走る高速道路のインターチェンジが市内にあり、都心の出口からは約40キロメートルの距離である。このため、鉄道と自動車道の両方が使える交通の要地として工場や物流拠点も立地している。
産業と食文化
工業では、市内の工業団地や産業団地に、自動車部品をはじめとする工場が集まる。大きな外資系の自動車部品メーカーの工場が中心的な存在である。農業ではいちごのほか、野菜づくりがさかんである。
食では、豚のかしら肉を使ったやきとりが名物で、辛い味噌だれを添えて食べる独特のスタイルがある。市内にはやきとりの店が数多くあり、海沿いの今浜市などと並んで「日本三大やきとりのまち」を名乗る。金融面では、地域の信用金庫である東松野みどり信用金庫が市内と近隣に支店をもち、暮らしと商いを支えている。
見どころと行事
丘陵の広い敷地には県立の動物園である「県立こども動物の森」があり、家族連れでにぎわう。市の中心部の矢弓稲荷神社は、牡丹園で知られ、花の季節には多くの参拝客が訪れる。坂東の札所に数えられる岩殿の観音や、戦争と平和を考える県の資料館、大きな連作絵画を収める美術館も市内や近隣にあり、文化や学びの場として親しまれている。
毎年秋に行われる「日本スリーデーウォーク」は、3日間にわたり市内外のコースを歩くアジア有数の規模のウォーキング大会で、全国から参加者が集まる。
地域の暮らし
住宅地のあちこちには、土地の守りとして古くから祀られてきた小さな神社があり、たとえばkakinoki-jinjaのように、住宅地の近くで地元の人に親しまれている社もある。駅前の商店街や大型店、丘陵の公園が日々の買い物や散歩の場となり、都会への近さと自然の豊かさを兼ねた暮らしが営まれている。