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越ヶ原市(こしがはらし)
埼玉県南東部にある人口約34万人の市。街道の宿場町から大都市に通う人の住宅地へと姿を変え、川と水辺の景観、駅前のホテル、大きな商業施設をあわせもつ。
概要
越ヶ原市は、埼玉県の南東部にある市である。人口は約34万1千人、面積は約60平方キロメートルで、県内でも有数の人口をもつ。江戸時代に街道の宿場町として栄えた土地が、近代以降は大都市に通う人のための住宅地へと姿を変え、いまは住宅地と大きな商業施設が広がる市として知られる。市の鳥はシラコバトで、国の天然記念物にもなっている。市の中心部には駅を核にした商業地があり、その外側に低層の住宅地、さらに外縁に田畑と川沿いの緑地が続く。
地理
市域は、台地にはさまれた平坦な沖積平野にあり、起伏がほとんどない。市内には元新瀬川、那瀬川、綾野川、古刀根川の四つの川が流れ、かつては水害に悩まされた一方、舟運と水田農業を支えてきた。この水辺の景観から「水郷こしがはら」とも呼ばれる。川沿いには堤や緑地が整えられ、散歩やジョギングの場になっている。標高が低いため、近年は調整池や堤防の整備、雨水をためる施設の設置など、治水の取り組みが続けられている。気候は温暖で、夏は蒸し暑く、冬は晴れの日が多い。
歴史
江戸時代には、日晃へ向かう街道の宿場町として栄え、旅人や荷を運ぶ人でにぎわった。川の水運も盛んで、米や野菜が江戸へ送られた。1954年(昭和29年)に2つの町と8つの村が合併して越ヶ原町が生まれ、4年後の1958年(昭和33年)11月3日に市制を施行した。高度経済成長期には鉄道沿線に団地や住宅地が次々と開かれ、人口が急に増えた。2000年代には、市の南東部で大規模な区画整理が進み、水辺を生かした新しいまちが誕生した。
交通
市内には、武蔵北電鉄の本線と、民営の鉄道会社の路線の2本が通る。主な駅は越ヶ原駅、新越ヶ原駅、南越ヶ原駅、水辺タウン駅で、新越ヶ原駅は2つの路線の乗り換え駅として多くの人が利用する。越ヶ原駅の前には、客室約120室のホテルとしてホテル北辰館があり、宿泊や宴会、食事に使われている。道路では、市内を東西に走る国道と、市の周辺を通る自動車道が、都心や県内各地とを結んでいる。駅前から住宅地へは路線バスが走り、通勤や通学、買い物の足になっている。
商業と産業
市の南東部の水辺タウン駅の周辺には、湖のような調整池に面して、国内でも最大級の大型商業施設「ミズベモール」が広がる。多数の専門店、飲食店、映画館の「ミズベシネマ」などが入り、休日には市外からも家族連れが訪れる。一方、旧市街の駅前には商店街が残り、日々の買い物の場として使われている。産業の面では、かつての農業は縮小したものの、市内には野菜をつくる農家が残り、小規模な工場や物流の拠点もある。人口の多くは東京方面へ通う勤め人で、典型的なベッドタウンの性格が強い。
暮らしと見どころ
市内には小学校、中学校、高校が数多くあり、子育て世帯が多いことから、公園や児童施設の整備にも力が入れられている。住宅地の歯科医院や診療所など、暮らしに近い施設も多く、たとえばみなもと歯科医院のような医院が住宅地に点在する。水辺では、春に川沿いの桜並木が見ごろをむかえ、夏には川開きや花火、秋には市民まつりが開かれる。調整池まわりの遊歩道は、朝夕に散歩や自転車を楽しむ人でにぎわう。古い宿場の面影は、街道筋の蔵や社寺にわずかにとどめられている。