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食堂くるまや(しょくどうくるまや)
茨城県の岩岡市、田んぼの脇にある、創業六十年ほどの小さな食堂。醤油味のあっさりした中華そばが名物で、座敷とテーブル席で定食や丼ものも食べられる。
概要
食堂くるまやは、茨城県の岩岡市、田んぼの広がる一角にある、昔ながらの小さな食堂である。名物は醤油味の中華そばで、昭和の面影を残した店内で、麺類や定食、ごはんものを手ごろな値段で出している。観光客向けの店ではなく、近所の人や農作業の帰りの人、車で通りかかった人が気軽に立ち寄る、土地に根づいた店として知られる。
所在地とアクセス
店は岩岡市の田園地帯にあり、周囲には田んぼと農道が広がる。最寄りの駅からは距離があり、バスを乗り継ぐと30分以上かかるため、多くの客は車で訪れる。高速道路のインターからは車で10分足らずである。店の近くには、無料で使える市の駐車場がある。霞が潟に近い低地のため、春から夏にかけては、窓の外に水を張った田んぼや青い稲の波が見える。
歴史
創業はおよそ60年前、昭和30年代の終わりごろと伝わる。もとは農家や職人を相手に、麺類と簡単なごはんものを出す食堂として始まり、いまの店主は二代目にあたる。外観は古いままだが、店内はいつも掃除が行き届き、清潔に保たれている。長い年月のあいだに周囲の田んぼは区画整理で姿を変えたが、店の構えと中華そばの味は、ほとんど変えずに受け継がれてきた。
名物の中華そば
中華そばは、醤油のきいたあっさりしたスープに、細いストレート麺を合わせた一杯である。具は、なると、ほうれん草、ねぎといった定番のもので、チャーシューは載らない。スープは軽く、麺は細いので、食欲のない日でも少しずつ食べ進めやすい。値段は一杯400円台前半と安く、物価が上がった今も、ワンコインでおつりが来る価格を守っている。天ぷらそばやうどん、かつ丼、チャーハン、中華スープなども品書きにあり、冬は温かい汁ものを求める客でにぎわう。揚げたての天ぷらがつゆを吸ってゆるくなる、昔ながらの天ぷらそばも根強い人気がある。
店内と営業
席数は16ほどで、テーブル席と小上がりの座敷がある。壁には手書きの品書きが貼られ、昭和の食堂らしい落ち着いた雰囲気である。営業時間は、昼が11時から14時、夕方が15時から20時ごろまでで、火曜が定休日。支払いは現金のみで、カード類や電子決済は使えない。店は年配のご夫婦を中心に切り盛りされており、注文を受けてから、一杯ずつ手早く仕上げて運んでくる。
地域とのかかわり
くるまやは、昼休みの勤め人、農作業を終えた人、通院や買い物の帰りの家族連れなど、さまざまな客の腹を満たしてきた。岩岡市は農業と酒造のまちで、田んぼの仕事の合間や、役所や病院へ出かけた帰りに、ここで温かい一杯を食べて帰る人が多い。大きな看板も派手な宣伝もないが、安くて、あたたかくて、気取らない店として、世代を越えて通われている。近隣では北原神社など、霞が潟に近い土地の暮らしが営まれており、くるまやもその日常の風景のひとつになっている。