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港堤公園(みなとづつみこうえん)
観波市の港の裏手、堤防沿いの高みにある市民向けの小さな公園。昭和6年に整えられた歴史をもち、ソメイヨシノを中心とした桜と港・海の眺めで、毎年4月の第1日曜の花見で親しまれている。
概要
港堤公園は、観波市の港の裏手、堤防に沿って細長く続く小さな公園である。入園は無料で、門や柵はなく、一年を通していつでも立ち寄れる。園内にはソメイヨシノを中心とした桜が植えられていて、港の町の春を知らせる場所として知られている。大きな遊具や運動施設はなく、散策と花見、海の眺めを楽しむための公園である。
所在地とアクセス
公園は、漁船が出入りする港のすぐ裏手にあたる。堤防と並行して遊歩道が延び、堤の上から港の船だまりと、その向こうに広がる穏やかな海を見渡せる。最寄りの駅は、民営の鉄道会社の駅で、そこから歩いて25分ほどかかる。車で来る人のために無料の駐車場があり、港の近くの空き地とあわせて使われる。港の駐車場は漁協の組合員の車を優先して取りまとめられているため、花見の時期は観波漁業協同組合の船や車の出入りを避けて停めるのが、土地の暗黙の了解になっている。
歴史
公園が整えられたのは昭和6年(1931年)と伝わる。もとは港の防波と高潮から町を守るために築かれた堤防で、その上と法面に桜の苗が植えられたのが始まりとされる。以来およそ100年にわたり、港で働く人と町の人に散歩の場所として使われてきた。戦時中には、港から出征する人を家族が見送った場所として語り継がれ、園内には母の姿を刻んだ小さな像が立っている。平成の終わりごろまでは小さな遊具も置かれていたが、老朽化にともなって撤去され、現在は桜と遊歩道が中心の姿になっている。
見どころと特徴
園内のソメイヨシノは約150本で、堤の曲がりに沿って並木をつくる。例年の見ごろは3月下旬から4月初めで、その年の冷え込みによって数日から1週間ほど前後する。桜のほかに、太い幹をもつ古い藤棚があり、5月には薄紫の花房が垂れる。堤の上の展望の一角には木のベンチが並び、船の出入りや夕方の海を眺める人が腰をかける。遊歩道は一周すると約1.1kmで、外の堤防の道とつなげると2kmほど歩ける。
園内には小さな時報の鐘があり、季節ごとの曲を1日に4回流す。この音が、港の朝夕の合図として近所の人に親しまれている。
行事と利用
毎年4月の第1日曜には、近所の人が集まって花見をする。持ち寄りの弁当と酒を桜の下に広げ、世話役が場所取りと掃除を受け持つ。花見が終わると、参加者が桜の下のごみを拾い集めるのが習わしである。春先には、夕方に桜をライトで照らす催しが数日間行われ、仕事帰りの人も足を止める。冬には、遊歩道に電飾が飾られる小さな催しもあり、桜のない季節の公園に明かりを添える。ふだんは早朝の散歩やジョギング、犬の散歩、釣り人の休憩などに使われている。
周辺
公園の周りには、港の魚市場や漁協の施設、小さな船宿、住宅地が続く。観波市の中心部へは、港から市街へ向かう道をたどって行ける。港にはいわしの船びき網の組も拠点を置いており、朝のうちは船の出入りと水揚げの様子を堤の上から眺められる。
利用の際の注意
桜の時期は、堤防の道が狭いため、歩く人の安全を優先して車の乗り入れが制限されることがある。堤の縁は柵が低い場所もあるので、子ども連れの人は足元に注意が必要である。火の使用と夜間の大きな音は控えるよう、管理者から呼びかけられている。