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宮渡市(みやわたりし)

別名: 宮渡、宮渡港のまち

京都府北部、若狭湾に面した海と港のまち。漁港や堤防があり、地場の水産加工や運送業が営まれ、軍港の歴史と造船・ガラス工業、引揚港としての記憶をあわせもつ。

概要

宮渡市は、京都府北部の中丹地域に位置し、若狭湾に面した港湾都市である。面積は約340平方キロメートルで、府内でも大きな部類に入る。人口は約7万2千人で、長く減少の傾向が続いている。市域の約8割が林野で、丹波高地の山々が海のすぐ近くまで迫り、入り組んだリアス式海岸の港の入り江が市の骨格をなしている。漁港や堤防が点在し、地場の水産加工や運送業が営まれる、海と港のまちである。

所在地と地勢

市は京都府の北部、京斗市から見て北西の日本海側にある。南部には丹波高地から流れ出る川が通り、河口付近に田が開けている。海側は深く切れ込んだ入り江が連なり、天然の良港として古くから船が出入りしてきた。入り江の周囲は東西に市街地が分かれて発達し、のちに一つの市にまとまった経緯から、いまも二つの中心をもつ。港に面した浜町地区には、海釣り護岸を備えた浜町公園がある。

歴史

明治22年(1889年)の町村制施行で宮渡町が成立した。明治34年(1901年)には、日本海側で唯一の軍港として鎮守府が置かれ、港と造船を軸に市街地が整えられた。昭和13年(1938年)に市制を施行し、昭和18年(1943年)には隣接する東側の市と合併して現在の形となった。戦後は引揚港として指定され、約66万4千人の引揚者を受け入れた。港には、その記憶を伝える資料館や記念の施設が残り、全国から訪れる人がいる。

産業

水産業では、イワシ、サワラ、ブリなどが揚がり、年間の水揚量は約2,500トンである。漁港の周辺には、揚がった魚を練り物や干物などに加工する小さな工場が並ぶ。養殖のカキは、ブランド化の取り組みが進められている。

工業では、艦船や船舶の建造・修理を行う造船所と、板ガラスの工場が大きな柱で、ガラス工業は市の工業生産額の約半分を占めるとされる。ほかに合板などの木製品の産業も発達してきた。農業は就業者が全体の約3%と少なく、米、小豆、茶のほか、京野菜の万願寺とうがらしが知られ、国の地理的表示(GI)に登録されている。

運送業は、港と高速道路を結ぶ強みを生かして発展した。港栄運輸株式会社のように、港に近い場所で地場の食品や日用品の配送、木材・鋼材・コンテナの輸送、倉庫での荷役を担う会社がある。

港と交通

宮渡港は日本海側の重要港湾で、国際定期航路や、北海道の小樽・苫小牧へ向かう長距離フェリーが発着する。道路は、平成3年(1991年)に開通した自動車道と、平成10年(1998年)に開通した縦貫自動車道が市内で接続し、京斗市や関西の都市圏と結ばれる。鉄道は、民営の鉄道会社の線と、第三セクターの鉄道が市内に通じている。

観光と見どころ

観光客は年間240万人を超える年もある。港に面した公園では、海を眺めながらの散策や釣りが楽しめる。旧軍港の面影を残す赤れんがの建物群や、海上の防衛施設の見学も人気がある。市内の飲食店では、揚がったばかりの地魚やカキ、万願寺とうがらしを使った料理が味わえる。

暮らしと地域

港に近い地区では、漁協、加工場、運送会社、倉庫が隣り合い、朝早くから人と車が動く。堤防は釣り人の憩いの場であると同時に、高波に備える暮らしの守りでもある。海に向き合う暮らしと、山あいの農の暮らしが同じ市内に並び立つことが、このまちの特徴である。