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長浦織物株式会社(ながうらおりものかぶしきがいしゃ)
滋賀県の長浦市にある織物の製造・卸の会社で、1951年に創業した。絹の縮緬を中心とした着物地を、糸の撚りから精練まで社内で手がけ、従業員は約120人。
| 所在地 | 滋賀県長浦市高田町1286番地3 |
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概要
長浦織物株式会社は、滋賀県の長浦市にある織物の製造・卸の会社である。1951年に創業し、従業員は約120人。市内に織物の工場と事務所を構え、絹の縮緬を中心とした着物地の製造と、問屋や染色の業者への卸売を行っている。長浦市は織物を地域の産業とするまちで(長浦市)、同社はその産地を支える中堅の会社のひとつである。
沿革
長浦市では、江戸時代の中ごろから縮緬の製織が始まり、彦峰藩の保護を受けて広がったと伝わる。もともと養蚕がさかんで、一面に桑畑が広がる土地柄だった。同社は戦後まもない1951年に、少数の織機を据えた機屋として出発した。高度経済成長期には、着物の需要の高まりにあわせて織機と人員を増やし、卸の取引先も広げていった。昭和40年代には工場を増築し、織物の組合に加わって産地の共同の催しにも参加するようになった。その後、国内の着物需要が減ると、洋装向けの生地や小物、海外のブランド向けの素材へと事業の幅を広げてきた。
事業と特徴
縮緬は、表面に細かな凹凸の「シボ」が現れる絹織物で、美しい光沢となめらかな肌触り、染まりやすさが持ち味である。強い撚りをかけた緯糸を使って織り、織りあがった生地を精練して、シボを浮かび上がらせる。シボの種類は30を超え、用途や好みにあわせて織り分けられる。
同社は、糸の撚り、整経、製織、精練、乾燥、検査までの多くの工程を社内で一貫して行っている。撚糸には伊吹嶺の雪解けの伏流水を、精練には青波湖の軟水を用いるのが、この産地のならいである。軟水で煮ることで糸の膠質(セリシン)がむらなく溶け、きめ細かなシボができる。精練した生地はその日のうちに乾かして、シボを定着させる。一反の縮緬には約3,000個分の繭が使われ、仕上がるまでには多くの手間と日数がかかる。織りあがった生地は、検査の担当者が一反ずつ目で確かめ、糸のむらや傷を見つけて等級を分けてから出荷される。
製品と取引
主な製品は、振袖・訪問着・留袖などに染められる白生地の縮緬で、染色や刺繍の業者に卸される。近年は、縮緬の風合いを生かしたスカーフやストール、ハンカチ、バッグなどの小物も自社で企画している。薄手で軽く、しわになりにくい生地は、洋服のブランドからも引き合いがある。取引先は、京の問屋や市内外の染色工房、通信販売の事業者など幅広い。工場の見学や機織りの体験を受け付ける日もあり、産地の技を知ってもらう機会としている。
所在地と体制
本社と工場は長浦市内にあり、織機の音が響く工場のそばに、糸の保管庫や検査の部屋、事務所が並ぶ。従業員約120人のうち、織りや仕上げの現場で働く人が多く、熟練の職人から若い世代へ技を伝える取り組みも続けている。資金の借り入れや為替などの金融の取引では、市内の金融機関である長浦信用金庫とも縁が深い。
地域とのかかわり
長浦市は、城下町の面影を残す町並みと、青波湖の湖岸の景色、織物のまちとしての顔をあわせもつ。同社は、産地の組合や市の催しに参加し、地元の学校の職場体験や見学を受け入れて、織物のまちの仕事を伝えている。また、糸を扱う町の運送や染色、整理加工の会社など、周辺の小さな事業者とも長く取引を重ね、産地全体のものづくりを支えている。着物の需要が変わる中でも、伝統の縮緬の質を守りながら、新しい用途を探すことが、同社の課題であり続けている。