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雄鹿沢そば(おじかざわそば)
雄鹿沢市の特産のそば。小粒で香りの高い在来種で、市内の山あいで育てられ、作付面積は県内で最も多い。令和5年7月に国の地理的表示(GI)に登録された。
概要
雄鹿沢そばは、雄鹿沢市で古くから育てられてきた在来種のそばです。正式な登録名は「雄鹿沢在来そば」といいます。実が小さく、殻が薄いため、甘皮の割合が高く、むき実の香りが豊かです。作付面積は約258ヘクタール(令和2年の農林業センサスによる)で、栃木県内で最も多くなっています。令和5年7月20日には、農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に、登録番号第136号として登録されました。区分は穀物類(そば)と粉類(そば粉)で、登録された生産者団体は雄鹿沢そば振興会です。
沿革
雄鹿沢の地域は土地がやせていて、米づくりが難しいところでした。そのため江戸時代から、そばが盛んに作られてきました。江戸時代の記録には板賀地区でのそば栽培が見え、「蕎麦は命の基なりき」という言い伝えも残ります。
明治以降は米づくりへ農業の重心が移りましたが、山あいの限られた地域ではそばの栽培が続き、在来種として受け継がれました。かつての麻畑の跡にそばを作る習わしもあったといいます。
平成19年には、旧粟根町との合併を機に雄鹿沢そば振興会が発足しました。「東京にいちばん近い本格的なそばの里」を目ざし、生産者、製粉・製麺の事業者、そば店が一緒になって、品質の維持と普及に取り組んでいます。
特徴
- 実:粒の大きさは約3.8〜4.2ミリで、一般的なそばの実より約8割小さい細粒です。殻が薄く、甘皮の割合が高いのが特色です。
- 味:麺にするとデンプン質が高く、雑味のない甘さがあります。タンパク質が低いため、歯切れも良好です。
- 風土:日晃連山の南のふもとにあり、寒暖差が大きい土地です。そのため、そばの甘味成分が増えるとされます。清らかな湧き水にも恵まれています。
- 栽培:山で分けられた沢地を中心に畑を選び、ほかの品種との交雑を防いで在来種を守っています。
産地
栽培は、市内の中山間地で行われます。主な産地は、永埜・粟根・大蘆などの地区です。いずれも山と沢に囲まれて平地が少なく、昼夜の気温差が大きい土地で、小規模な畑が点在しています。収穫したそばは、市内の製粉・製麺の事業者によって粉や麺に加工されます。
振興会と認定店
雄鹿沢そば振興会の事務局は、雄鹿沢市今之宮町の雄鹿沢市役所内にあります。振興会には認定制度があります。認定を受けるには、雄鹿沢産の玄そばを100%使い、そば粉の割合を7割以上にし、手打ちまたは手打ち風に仕上げることが条件です。市内には、認定のそば店が20店あまりと、製粉・製麺の事業者が6事業者あります。認定店では、同じ在来種を使いながら、店ごとに打ち方やつゆの味わいが異なり、食べ比べも楽しまれています。
催し
振興会は、市内のそば店をめぐる「そば天国」のスタンプラリーを開いています。秋の新そばの時期にあわせて行われ、参加者は認定店のそばを食べ比べながら、各店でスタンプを集めます。令和8年11月には第18回が予定されています。市内外から、そば好きの人々が訪れる秋の催しとなっています。
地域とのかかわり
雄鹿沢市は木工のまちとして知られますが、山あいの農地を守る作物としても、そばは大切にされています。GIの登録により、産地や品質の基準が国に認められ、「雄鹿沢そば」の名を守る取り組みが進められています。同じく市のご当地の味であるおじかざわシウマイとともに、観光や食の魅力として発信されています。