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汐風坂(しおかぜざか)

別名: 汐風の坂、こども園の坂、小多の坂

西雲市多喜野町の小多地区にあり、海に近いはまなす認定こども園へ下っていく坂道。坂の上からは日本海と、北東へ続く砂浜の海岸線が見わたせる。

概要

汐風坂は、西雲市の西部、多喜野町の小多地区にある坂道です。高台を通る道から、海沿いの低い土地へ下っていきます。坂を下りきったあたりには、海に近い新しい園舎をもつはまなす認定こども園があります。坂の上からは日本海が広く見わたせ、晴れた日には青い海と、北東へ続く砂浜の海岸線が目に入ります。名前のとおり、海からの風がよく吹き上がる坂です。夏はぬるく湿った潮風が、冬は日本海からの強い北西の風が吹きつけます。こども園へ子どもを送り迎えする家族や、通勤する職員の車がよく通る、地区の暮らしの道です。

所在地とアクセス

坂があるのは、旧多喜野町の四つの地区(小多・多喜野・口田瀬・奥田瀬)のうち、いちばん海寄りの小多地区です。こども園の住所は多喜野町小多で、民営の鉄道会社の本線の小多駅から歩いて7分ほどです。駅は1913年(大正2年)に開業した古い駅で、坂のそばの集落と、西雲市の中心部や隣の市を結んでいます。車の場合は、海沿いを走る国道から集落へ入り、坂を下ります。自動車道の多喜野のインターから国道を通って来ることもできます。西雲市の中心部からは、車で30分前後かかります。

歴史

多喜野町は、1956年に二つの村が合併して生まれ、1963年に町になりました。2005年3月22日に周辺の町とともに西雲市へ合併し、いまは市の一つの地区になっています。合併前の人口は約4,000人、面積は約55平方キロメートルでした。坂の下の土地は昔から、半農半漁の家と畑が混ざる集落です。海と線路と国道にはさまれた狭い平地に、家が並んでいます。坂の下のこども園は、1999年に保育園として開かれ、2015年に幼保連携型の認定こども園へ移りました。そのあと海に近い場所に新しい園舎が建ち、送り迎えの車がこの坂を毎日行き来するようになりました。

坂の様子と眺め

汐風坂は、高台の道から海の方向へ、ゆるく曲がりながら下っていく坂です。道幅はそれほど広くなく、両わきには畑や家の生け垣、松の木が続きます。下りはじめのあたりが、いちばん見晴らしのよい場所です。木々のあいだから日本海が開け、天気によって海の色が大きく変わります。晴れた夏の日は濃い青に輝き、夕方には西の空が赤く染まります。小雨の日や冬の曇りの日は、海も空も灰色に沈みます。冬は北西の季節風で白い波が立ち、坂の上まで潮の香りが届きます。海辺にはカモメが多く、坂の上や、こども園のテラスの手すりにとまる姿もよく見られます。

坂の下のこども園

坂を下りた先にあるはまなす認定こども園は、社会福祉法人西雲すこやか会が運営しています。定員は150人で、生後8週から小学校へ上がる前までの子どもを預かっています。海に近い園舎にはテラスがあり、子どもたちは日々、海の景色や海辺の鳥にふれながら過ごします。園では、季節の行事や製作に海辺らしさを取り入れていて、七夕の飾りや夏祭りの提灯づくりなどを行います。地域の子育て家庭向けには、はまなす子育て支援センター「わくわく広場」を開き、きらり子育てプログラムなどの取り組みも行っています。坂は、園に通う家族と職員にとって、毎日の行き帰りの道になっています。

季節と暮らし

坂の上り下りは、季節の移り変わりを感じる時間にもなっています。春は畑の菜の花や新緑、夏は強い日差しと湿った潮風、秋は澄んだ空と穏やかな海が楽しめます。冬は荒れた海と、時おり舞う雪が見られます。梅雨どきや雨の日は、坂の上から見る海が灰色にけむります。車のワイパーの音を聞きながら、ゆっくり下っていく道になります。坂は狭く曲がっているので、朝夕の送り迎えの時間には、すれ違う車どうしが譲り合って通ります。冬の凍結や強風の日には、注意が必要です。

周辺

坂のある小多地区の海沿いには、砂浜の海水浴場「きらめき浜」があります。夏には海水浴の人でにぎわい、海沿いの国道には休憩や買い物に立ち寄れる施設もあります。地区は果物づくりも盛んで、とくに夏から秋にかけてのいちじくが地元の特産として知られています。駅や国道を使えば、西雲市の中心部へも出やすい場所です。一方で、坂の上から海を見下ろす景色は、地区で暮らし、働く人にとって身近な日々の眺めになっています。

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