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巣崎市(すさきし)
高知県の西のはし、愛媛県との県境に近い海沿いの小さな市。入り江に面した港と造船所、山すその住宅地や雑木林、沖の島々をあわせもつ、造船と漁業、柑橘のまち。
概要
巣崎市は、高知県の西のはし、愛媛県との県境に接する海沿いの市である。人口は約1万7千人、面積は約286平方キロメートルで、人口密度は1平方キロメートルあたり60人に満たず、市域の大半を山と海が占める。県内では西の端の港まちとして知られ、入り江に面した港の周りには造船所が並び、海辺の集落、山に近い住宅地、雑木林が一つの市のなかに続いている。
所在地と地勢
市の南は、入り組んだ巣崎湾に面している。湾は波が穏やかで、古くから船の停泊や造船に向いた地形として使われてきた。湾の沖には人の住む島が2つあり、岩礁の多い海は磯釣りや透明度の高い海のダイビングの場所として知られる。気候は太平洋側らしく、一年を通して温暖である。一方で、海沿いの市街地は南海トラフの地震による津波の被害が想定されており、最大で約12メートルの津波が沿岸に届くと予測されている。そのため港や住宅地では避難の道や高台の整備が進められている。
歴史
市の歴史は、陸の道よりも海の道に支えられてきた。険しい山に囲まれて陸路が不便だったため、人と物の行き来は船が中心で、港が早くから開けた。城下の港まちとして栄えた城跡も残る。1954年3月31日に周辺の町村が合併して市制を施行し、現在の市域が形づくられた。近代以降は、港の周りで船をつくり、修理する仕事が根づき、「造船所のある海辺のまち」という呼び名が定着した。
産業
基幹の産業は、造船と水産、農業である。港沿いの造船所では、船の建造と修理が行われ、市内の雇用を支えている。湾ではブリやタイの養殖やキビナゴなどの漁が営まれる。農業では、山すそや段々の畑で育つ柑橘がさかんで、文旦、小夏、直七などが特産として知られる。さわやかな香りと蜜のような甘みが特徴で、直売所や贈答で親しまれている。
見どころと文化
市内には、四国の八十八か所の札所の一つである古い寺があり、竜宮の伝説が伝わる。海辺の公園では、夕日がだるまの形に見える「だるま夕日」が冬を中心に見られ、写真を撮りに訪れる人も多い。旧市街には明治期の洋風の名家の邸宅が、まちの駅として生かされている。沖の島々では、漁の暮らしと伝統の行事が語り継がれている。ほかに、自転車、釣り、シュノーケリング、シーカヤック、キャンプなど、海と山を生かした遊びもできる。
交通
鉄道は、県内を走る第三セクターの鉄道が通り、市の駅が玄関口になる。道路は、県の中心部から続く自動車道が市内まで延び、港からは県外の九州方面へ渡るフェリーが出ている。
暮らしと周辺
市内には、港に近い海辺の集落、山のふもとの住宅地、雑木林や里山が分かれて広がる。市内の医療や教育の施設は、歯科医院の潮見歯科医院や公立中学校の巣崎西中学校など、まちの暮らしの身近にある。同じ県内には、太平洋に面した港とカツオのまち須浜市があり、同じ県の海沿いのまちとして並べて語られることもある。