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須浜市(すはまし)

別名: 須浜、須浜港のまち

高知県内の太平洋に面した、港とカツオと山あいの田んぼのまち。入り組んだ入り江と山林に囲まれ、漁業とセメント産業、鍋焼きラーメンで知られる。

概要

須浜市は、高知県の中ほどの海沿いにある市で、人口は約1万8千人。面積は約135平方キロメートルあり、市域の大半を山林が占める。太平洋に開いた深い入り江を港とし、水揚げの中心はカツオである。港のまわりに市街地が集まり、川ぞいの平地や山あいには田んぼが広がるため、「港とカツオと山あいの田んぼのまち」と言い表される。昭和29年(1954年)10月1日に5つの自治体が合併して市制を施行した。

地理と気候

海岸線は複雑に入り組み、須浜湾や浦之江湾といった細長く深い入り江をつくっている。波の穏やかな入り江は天然の良港となり、古くから船の出入りでにぎわってきた。市の中心部を須浜川が流れ、その下流の平地に市街地と田んぼが開けている。

気候は温暖多雨で、年間降水量は約2,780ミリメートル、平均気温は約16.8度。雨と日ざしに恵まれて山の緑は濃い。一方で、南海トラフ地震が起きた場合には最大13メートルほどの津波の到達が想定されており、港のまちとして避難の備えが続けられている。

産業

漁業ではカツオが中心で、水揚げされた魚は市内の水産加工会社で干物やカツオ節、冷凍品に加工される。たとえば須浜水産は、そうした加工を行う会社のひとつである。

鉱業とセメント産業も古くからこのまちを支え、石灰石を産する山と港をむすぶ工場や積み出しの設備が入り江のそばにある。農業も営まれ、山あいや川ぞいの田んぼで米がつくられるほか、野菜づくりも行われる。

食と名物

名物は鍋焼きラーメンである。小ぶりの鍋に入れたまま、ぐつぐつと煮立った状態で出される中華そばで、鶏ガラ醤油のあっさりしたスープに細めの麺、ねぎ、生卵、ちくわなどが入る。具をのせたまま鍋で煮込むため最後まで熱く、市内の食堂や専門店で長く親しまれてきた。

また、新鮮なカツオはたたきや刺身のほか、カツオ節の原料としても使われ、市内の食卓や飲食店に欠かせない。

交通

鉄道は、民営の鉄道会社の本線が市内を通り、須浜駅がまちの中心の駅となっている。自動車では、自動車道に市内で3つのインターチェンジがあり、県庁所在地の広島県ではなく県内の高路市方面へも結ばれている。港は、沿岸の船と荷の出入りを担う。

暮らしと公共施設

市の中心には須浜郵便局があり、市内にはほかに須浜南郵便局も置かれている。須浜川ぞいには、舗装された散歩道と桜並木のある川端緑地が細長く続き、朝の散歩やジョギングの人が多い。住宅街には、2023年に遊具が新しくなったかもめ児童公園のような、近所の子どもが遊ぶ小さな公園がある。

市内の高校には県立須浜西高校があり、地元の生徒の学びを担っている。

地域とのかかわり

須浜市は、海と山のあいだに暮らしがあるまちである。港では朝早くから漁船の出入りがあり、加工の工場が動き出す。山あいでは田んぼの手入れが季節ごとに行われる。一方で、津波や大雨への備えは日常の話題であり、避難の場所や道を確かめる訓練が地域ごとに重ねられている。海の恵みと自然の厳しさの両方とともにある、これが須浜市の特徴である。

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