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矢羽市(やばねし)

別名: 矢羽

栃木県北部にある人口約2万9千人の市。田んぼの広がる農村地帯を持ち、りんご、長嶺公園のつつじ、高野原山のふもとの高原で知られる。

概要

矢羽市は、栃木県の北部にある市です。県庁所在地の宇登宮市から北へおよそ30km、東京からは北へおよそ130kmの距離にあります。人口は約2万9千人、面積は約170平方キロメートルで、人口密度は1平方キロメートルあたり170人ほどです。市の北側には高野原山が連なり、南へ向かって山地から丘陵、平地へとゆるやかに下っていきます。平地には田んぼの広がる農村地帯があり、その中に市街地と工場、集落が点在しています。

地理と気候

北の山地は日晃の山岳公園の一部で、そこから流れ出す複数の川が市内を南へ横切り、水田や畑を潤しています。標高の高い山ぎわと低い平野部の差が大きく、同じ市の中でも景色や作物がかなり変わります。冬は冷え込みますが、雪は山ぎわを除いてそれほど深くならず、寒波の被害も大きくありません。この気候が、後述するりんごの栽培に向いています。

歴史

1889年(明治22年)の町村制の施行で矢羽村が置かれ、1895年(明治28年)に町制を施行して矢羽町になりました。矢羽は古くから、塩屋地方で木材や家畜が集まって流通する拠点でした。街道沿いの宿場と市が栄え、明治以降は鉄道が通って、人と物の行き来がさらに増えました。1955年(昭和30年)には矢羽町と近隣の2つの村が合併し、1958年(昭和33年)11月1日に市制を施行して矢羽市となりました。農村地帯の広がりと、鉄道や自動車道に近い立地を背景に、戦後は工場の進出も進みました。

産業と特産

農業の柱は米と、りんごや地元のねぎです。りんごは、低い土地で育てられる産地としては南の端にあたるとされ、市内には20ほどの果樹園があります。雪や寒波の害が少なく、実を木につけたまま十分に熟させられるのが強みです。秋には、直売や収穫体験で訪れる人でにぎわいます。農家の出荷や資材の販売は、矢羽農協が支えています。米と野菜をつくる家族経営の農家もあり、例として上坪の石塚があります。

工業では、電機や産業機械の部品などの工場が市内に立地しています。建設に関わる産業も根づいており、矢羽建材株式会社のようにコンクリート製品と生コンを手がける会社があります。山あいには温泉の施設もあり、日帰りで利用できます。

交通

鉄道は、民営の鉄道会社の線が市内を通り、市の中心部の矢羽駅と、もう一つの駅があります。道路は、南北に走る自動車道の矢羽インターが市内にあり、国道4号と国道461号も通っています。宇登宮方面へも、北の那洲方面へも、車や電車で行き来しやすい位置にあります。

見どころと行事

市のシンボルとされるのが、市街地の近くの高台にある長嶺公園です。全国の都市公園百選に選ばれたことがあり、約150本の桜と約5,000株のつつじが、4月上旬から5月中旬まで順に咲きます。花の時期には夜のライトアップが行われ、5月上旬にはつつじ祭りが開かれます。

山のほうでは、標高1,000〜1,200mほどの高原に約20万株のレンゲツツジが群れ、6月中旬ごろに一面が赤く染まります。展望台からは、日晃連山や那洲の山々を見渡せます。山の奥には、前日に大雨が降るなど条件がそろったときだけ姿を現す「幻の滝」があり、地元の人でも目にする機会が少ないと言われます。市内には、明治期に市域で農場を営んだ人にゆかりのある記念館もあり、郷土の歴史を学ぶ場になっています。

教育とくらし

市内には小学校が9校、中学校が4校、高等学校が3校あります。小学校には矢羽北小学校、中学校には矢羽中学校、高校には県立矢羽高校などがあります。田んぼと果樹園、工場と住宅地が近い距離にあるため、通学や通勤は、徒歩や自転車、車を使い分けて行われています。春の花見、夏の祭り、秋のりんごの収穫と、一年を通じて自然とともに暮らす市です。

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