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橋倉市(はしくらし)
和歌山県の北のはしにある、山に囲まれた住宅地と谷あいの町。大きな川の流れる盆地に市街地が広がり、柿や梨の果樹、へら竿づくり、大阪方面へ通う人のベッドタウンの顔をあわせもつ。
概要
橋倉市は、和歌山県の北のはしにある市である。県の中ほどを東西に流れる大きな川のほとりに開けた谷あいの町で、北は府県境の山並みに接し、市域のおよそ6割を森林が占める。農地は1割ほどで、柿・梨・卵などの農産物と、住宅地、小さな工業団地が、山に囲まれた土地に収まっている。
人口はかつて7万人に迫る時期もあったが、その後は少しずつ減り、現在は5万6千人ほどである。面積は約130平方キロメートルで、県内では大阪の都市圏に含まれる数少ない市の一つとされる。県庁のある和賀山市と大阪の中心部のどちらからも、おおよそ40キロメートルの距離にある。
所在地とアクセス
市の中心部には、民営の鉄道会社の本線と、山上の聖地へ向かう私鉄の高野方面の線が交わる乗換駅がある。ここから大阪方面へは電車で通勤・通学する人が多く、朝夕は上りの電車が混み合う。山上の聖地へ向かう参詣の人にとっては、昔から麓の玄関口にあたり、乗り換えの旅人が立ち寄る町でもある。
道路は、東西に走る国道と自動車道が市内を通り、車でも大阪方面や県の中部へ出やすい。市の南側は川の氾濫原と段丘が広がり、北側は山すそに沿って住宅地が階段状に続く。
歴史
この土地は、川を渡る橋のたもとに市がひらかれたことから町が育ったと伝わる。街道の宿場として、また山上の聖地へ上る参詣路の入り口として栄え、川沿いの港では荷が積み下ろされた。明治以降は鉄道の開通とともに、市街地が駅のまわりへ広がった。
戦後に町制から市制へ移り、2006年には、隣の高嶺口町と合併して現在の市域となった。高嶺口町は、古くから綿織物のパイル織で知られた町で、その織物の工場跡や古い町並みが、いまも合併後の市の北東部に残っている。
産業と特徴
農業では、柿の生産が盛んで、秋には果樹園が橙色に染まる。梨や卵も名産で、卵を使った料理を町の名物にしようとする試みも続いている。
伝統工芸では、竹を材料にしたへら竿づくりが知られる。何本もの竹を選び、火入れ、矯め、継ぎを重ねてつくる竿は、釣り人のあいだで高く評価され、国から伝統的工芸品に指定されている。ほかに、パイル織の繊維産業、機械部品や計測機器の工場も市の産業を支えている。計測・制御機器の会社 紀央精機株式会社 は、市内の工業団地に本社と工場を置く。
暮らしと見どころ
住宅地の外れや山すそには、小さな神社や寺が点在する。梅の木のある 西原神社 は、近所の人が散歩に訪れる身近な神社である。市の中心には公立の図書館 橋倉市立図書館 があり、市民の学びの場になっている。
春には川沿いの桜、秋には柿の実りと紅葉が見どころで、山上の聖地へ続く古い参詣道を歩く人も多い。ベッドタウンとして新しい住宅が増える一方で、谷あいの集落には古い家並みも残っている。
行事と周辺
毎年、秋には収穫を祝う催しや、柿を使った食の催しが開かれ、市外からも人が訪れる。川沿いの河川敷では、地元の団体による散策やスポーツの催しも行われる。
周辺には、山上の聖地へ向かう参詣路、川の上流の山あいの集落、そして大阪府側の住宅地が連なる。橋倉市は、山と川、聖地への入り口、都市への通勤圏という三つの性格をあわせもつ、県の北の玄関口である。