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掛森市(かけもりし)
静岡県西部にある、人口約4万5千人の市。台地の大茶園と深蒸し茶、自動車部品などの工業団地、西の山あいの棚田をあわせもつ。
概要
掛森市は、静岡県西部(東遠地域)にある市である。面積は約94平方キロメートル、人口は約4万5千人。2005年1月に二つの町が合併して現在の市となった。市の中心を掛森川が流れ、東側には牧野原台地の一部が広がり、西側には小傘山へ連なる山地が続く。市の木は茶の木、市の花は菊、市の鳥はセグロセキレイである。
地理
市域は、東の台地、中央の川沿いの低地、西の山あいの三つに大きく分けられる。東の台地には大小の茶園が広がり、中央の掛森川沿いに市街地と水田が開ける。西の山あいには里山と棚田が残り、上蔵沢地区の千枠の棚田は、県の棚田十選に選ばれている。なお、近隣には城下町の掛野市があり、東側の県中部には藤坂市がある。
歴史
中世にはこの地を横知氏が治め、横知城を拠点とした。戦国期には堤ヶ城を築いた武将が下平川一帯を支配したとも伝わる。江戸時代には、領地が19もの領主に分かれ、水の乏しさに悩まされ続けた土地であった。
転機は明治維新後である。1869年(明治2年)から、徳川方の旧幕臣たちが牧野原台地に入植して原野を切り開き、大茶園をつくった。この開拓が、いまの茶どころとしての基礎となっている。昭和には町村合併が進み、2005年1月に掛森町と隣の小傘町が合併して市制を施行した。合併により、この地域は初めてひとつの行政区域としてまとまった。
産業
農業の中心は茶で、蒸し時間を長くした「深蒸し掛森茶」として知られる。農業産出額で最も大きいのも茶である。茶のほか、メロン、いちご、ブルーベリーなどの果物、野菜、畜産も営まれている。
工業では、自動車関連の部品や精密工作機械などの製造が盛んで、市内の工業団地には100社を超える工場や事業所が立地している。茶畑の広がる農業の土地でありながら、ものづくりのまちでもあるのが特徴である。
交通
鉄道は、民営の鉄道会社の本線が市内を東西に通り、掛森駅がある。駅は2026年3月に橋上駅舎が完成した。自動車道では、1969年に開通した掛森インターが市の玄関口となっている。新幹線の駅は市内になく、最寄りは隣の掛野市の掛野駅と、藤坂駅である。
行事と観光
毎年10月には、旧町ごとの祭りを一つにした産業祭「踊り座」が開かれ、特産品の販売や催しでにぎわう。秋祭りの時期には、二輪の屋台に御所車の形をした飾りをのせ、まちを引き回す地域もある。観光では、牧野原台地の茶園の景色、小傘山の山歩き、千枠の棚田が親しまれている。市の姉妹都市は、山口県の海沿いの市と、長野県の山村で、後者は古くからの塩の道を通じてつながりがある。
教育と暮らし
市内には県立の高校と私立の高校があり、市立の総合病院が地域の医療を担う。市役所は堀之内地区にある。市内にはみどり保育園のような保育園や、かつて障子や襖を手がけた田島建具店のような商いもあり、茶畑と住宅地が隣り合う暮らしが営まれてきた。人口は合併時の約4万7千5百人をピークに、緩やかに減少している。