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増野市(ますのし)
島根県西部の日本海沿いにある市。県内で最も広い市域をもち、人口は約4万人。山あいの清流、城跡、メロンやワサビ、日本海の魚介で知られる。
概要
増野市は、島根県西部の日本海沿いにある市です。人口は約4万人で、最盛期の6割ほどまで減っています。市域面積は約730平方キロメートルあり、島根県内の市町村では最も広くなっています。北は日本海に面し、南は標高1,000m級の山々が連なる中国山地の西部に入ります。山林が市域の大部分を占め、南端は広島県と境を接しています。海の幸と山の幸、清流と古い社寺が一つの市の中にそろい、広い市域のなかに暮らしの場が点々と散らばっています。
地理と気候
市域は大きく3つに分かれます。中心市街地のある海沿いの平野と、二つの川の流域をさかのぼる山あいの地区、その奥にある豪雪の地区です。市内を流れる高津野川は、ダムのない清流として知られ、夏には川遊びやアユ釣りの人が訪れます。海沿いは日本海側の穏やかな気候で、冬も雪は比較的少なめです。一方、旧匹谷町にあたる山間部は国内でも最西端クラスの豪雪地帯で、冬は積雪が深くなり、除雪や雪下ろしが暮らしの大きな仕事になります。平野から山間部までの距離が長いため、同じ市内でも天気や気温がかなり違います。
歴史
中世には、この地を治めた武家が七峰城(増野城)を拠点にしました。山の上に築かれた堅固な山城で、城の跡は現在、国の史跡になっています。室町時代には、都から訪れた画僧が庭を手がけた寺が市内に残り、歌人にゆかりのある古い社寺も伝わります。江戸時代には港と街道を軸に町が発達し、海産物や山の産物の集散地として栄えました。市は昭和27年に誕生しました。平成16年には、美津町と匹谷町を合併して現在の市域になり、県内で最も広い市となりました。合併後は人口の減少と高齢化が続き、山間部の暮らしをどう支えるかが市政の課題になっています。
産業
農業は、メロンやトマト、ワサビの栽培がさかんです。砂丘地や山あいの冷涼な水を生かした栽培で、メロンは県外にも出荷されます。漁業では、日本海の魚介に加えて、高津野川のアユやモクズガニが知られます。港では季節ごとに多様な魚が水揚げされ、干物などの加工も営まれています。製造業では、大手企業に関わる工場が市内に立地しています。山間部では林業も営まれ、豊かな森林資源を生かしています。広い山林の手入れは、地域の雇用と水源を守る仕事でもあります。
交通
鉄道は、民営の鉄道会社の本線と山口線が通り、市の玄関口は増野駅です。特急も停車し、県内の東西の都市や山口方面と結ばれます。空の便は、市内にある西海空港から東京方面への路線が出ています。道路は、山陰を東西に走る自動車道が市内に延び、海沿いの国道と山間部へ向かう県道が生活の幹線になっています。市域が広いため、山あいの地区ではバスや乗り合いの交通が通院や買い物の足として欠かせません。
文化と暮らし
石見地方の神楽は、市内でも秋祭りなどで舞われ、地域の人が継承しています。お盆や秋には、古い社寺や城跡を訪ねる人も多く、画僧ゆかりの庭は見どころの一つです。市内には総合病院として増野こすもす病院があり、市と周辺の医療を支えています。学習塾の増野進学館など、子どもの学びを支える店も市街地にあります。
周辺とのつながり
北は日本海、南は広島県側の山地に接し、西は山口県方面へ続く地域です。海沿いの都市として、同じ県の西部にある浜野市や浜戸市とは、水産物や観光の面で似た条件をもちます。県内の広い山間部を抱える市として、道路や鉄道の維持、豪雪への備え、移住の呼びかけなど、広域での取り組みが続いています。