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竹麻市(たけまし)
広島県の中南部、瀬戸内海に面した人口約2万1千人の市。古い町並みが国の保存地区に選ばれており、塩づくりと酒造りで栄えた港町の面影と、臨海の工業を併せもつ。
概要
竹麻市は、広島県の中南部、瀬戸内海に面した人口約2万1千人、面積約118平方キロメートルの市です。室町時代から港町として開け、江戸時代には塩づくりと酒造りで富を築きました。そのころの商家や寺社が今も町の中心に並び、「芸州の小京都」とも呼ばれます。古い町並みが残る海沿いの市として知られ、近年は観光と、金属精錬・造船・発電といった臨海の工業が並び立っています。
所在地とアクセス
県都の広島県の広洲市と、東広野市のある内陸の盆地を結ぶ線のあいだ、瀬戸内海側の海岸に位置します。広洲市からは、車や鉄道でおよそ1時間ほどの距離です。市内には民営の鉄道会社の線が通り、竹麻駅、忠浦駅、吉那駅などが置かれています。海岸沿いの忠浦と竹麻の港からは、沖の島々へ渡る船が出ています。市域は、港と市街地の広がる海沿いから、ぶどうや竹の子の産地である丘陵・山あいまで続きます。
歴史
中世には港町として栄え、江戸時代に入ると、浜に広がる塩田で塩が盛んに作られ、その富を元手に酒造りが発展しました。塩や酒を扱う商家は、格子窓や白壁の屋敷を構え、学問や文化も育てました。昭和26年に市制を施行し、その後、周辺の町を合わせて現在の市域となりました。塩田は昭和30年代に姿を消しましたが、跡地は工場や発電所の用地に変わり、現在の臨海工業の土台になりました。昭和57年には、旧市街の一帯が国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれ、町並みを守るまちづくりが進められています。
見どころと特徴
保存地区には、本瓦ぶきの商家、白壁の土蔵、格子のある町家、古い寺の石段などが連なり、散歩で歩く人が絶えません。町並みの中には、民俗資料館や、江戸時代から続く酒蔵「竹鳴」などがあります。酒蔵では、仕込み水に市内の湧き水を使った酒がつくられ、見学や買い物に訪れる人も多くいます。高台の寺からは、屋根瓦の波の向こうに瀬戸内の島々が見渡せ、夕方の景色は市の自慢のひとつです。
産業
臨海部には、金属精錬の工場、造船所、発電所が並び、市の雇用と税収を支えています。内陸の丘陵ではぶどうや竹の子が育てられ、直売所や道の駅で売られています。港では小さな漁船による漁も続き、小魚や貝の水揚げが食卓に上ります。観光は、町並みの散策に宿泊や飲食が組み合わさる形で、春秋の週末に特ににぎわいます。
行事と暮らし
秋には、町並みの通りを灯りで飾る催しが開かれ、商家の格子の奥にろうそくの明かりがともります。春には、保存地区の通りで市が立ち、地元の菓子や酒、手工芸品が並びます。港の周辺では、海の安全を願う祭りが神社で行われ、地域の人が神輿を担ぎます。学校では、町並みの歴史や塩づくりを学ぶ授業が行われ、まちの記憶を次の世代へ伝えています。
周辺
東には内陸の盆地に広がる東広野市があり、酒造と大学のまちとして知られます。西と南には瀬戸内の島々が点在し、船で渡って海水浴や釣りが楽しめます。市の行政は竹麻市役所が担い、窓口から福祉、産業、防災までの事務を受け持っています。