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武峰市(たけみねし)

別名: 武峰、峰の湯のまち

温泉と楼門のまちとして知られる、佐賀県西部の市。朱塗りの楼門を構える古い温泉地と、焼き物、茶、巨木や神社などの見どころをあわせもつ。

概要

武峰市は、佐賀県の西部にある市である。人口は5万人弱で、南に水船山、北に黒糸山を望む盆地に市街地が広がる。市の中心には古くからの温泉地「峰の湯温泉」があり、朱塗りの楼門がまちの象徴になっている。温泉、焼き物、茶、巨木や神社などの見どころを併せもち、県西部の交通の要地としても栄えてきた。

地理とアクセス

市域は盆地と周囲の丘陵・山地からなり、水田や果樹園、茶畑が広がる。市の玄関口は新幹線と在来線が乗り入れる峰湯駅で、温泉街へは歩いて行ける。令和4年9月には、峰湯駅から長碕市へ向かう新幹線が開業し、隣県との行き来が便利になった。早賀市方面へは自動車道と在来線で結ばれ、市内の移動は峰野交通株式会社などのタクシーやバスが担っている。西隣には焼き物の港として知られる伊万野市がある。

歴史

武峰の地は、奈良時代の地誌にも温泉の記述が見られるほど古くから開けていた。峰の湯温泉は、約千三百年の歴史があると伝えられる。江戸時代には長碕街道の宿場として栄え、領主の屋敷と城下の町筋が整えられた。温泉は旅人の疲れをいやす場として、街道を行き交う人びとに親しまれた。幕末には領主が洋式の技術を取り入れ、反射炉や大砲づくりを進めたことでも知られる。

昭和29年に市制が施行され、平成18年には周辺の2つの町と合併して現在の市域になった。

見どころと特徴

楼門 温泉の入口に建つ朱塗りの二層の門で、大正4年に完成した。近代建築の父と呼ばれた建築家が設計し、釘を使わない工法でつくられている。干支の彫り物が飾られ、国の重要文化財に指定されている。

峰の湯温泉 無色透明でなめらかな湯が特徴で、肌あたりのやさしい泉質として知られる。楼門のそばには古い共同浴場や宿が並び、浴衣姿で歩く湯めぐりの人の姿が絶えない。市内には、日帰りで利用できる浴場や足湯もある。

水船山と黒糸山 水船山は、麓に広がる庭園や公園とともに、四季の景色を楽しめる山として親しまれている。黒糸山は市の北にそびえ、登山やハイキングの目的地になっている。

巨木と神社 市内には、樹齢が三千年を超えるともいわれる大楠をはじめ、巨木が多く残る。神社の境内にそびえる楠は、参拝に訪れる人の信仰を集めている。

産業と食

農業は米のほか、果樹や茶の栽培が中心で、山あいの茶畑からは香り高い茶が摘まれる。焼き物の窯元も市内の丘陵地に点在し、隣の伊万野焼の流れをくむ器が作られている。温泉を核にした観光業も大きな柱で、宿泊業や飲食業、土産物の店が市の経済を支えている。名物には、温泉の湯でゆでた豆腐のように、湯とともに味わう素朴な料理があり、地元の食材を使った料理が旅人をもてなす。

行事と暮らし

春には温泉街で湯めぐりの催しが開かれ、秋には各地の神社で例祭が営まれる。楼門の周辺は夜になると明かりがともされ、湯上がりの散歩を楽しむ人でにぎわう。市内には図書館や公園も整い、温泉地でありながら、住宅地の落ち着いた暮らしも営まれている。毎年多くの観光客が訪れる一方で、地元の人は共同浴場を日々の暮らしの一部として使い続けている。

周辺

西には港と焼き物のまち伊万野市、北東には県都の早賀市がある。南には有明海に面した低地が広がり、海産物や干潟の自然にも恵まれている。温泉と焼き物、そして海の幸をめぐる周遊の拠点として、武峰市は県西部の旅の出発点になっている。

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