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月見山神社(つきやまじんじゃ)
小槻市の住宅地のはずれにある小さな神社。杉に囲まれた苔むした石段と、昔の自然の林が残る境内の森(社叢林)で知られる。
概要
月見山神社は、小槻市の住宅地のはずれにある小さな神社です。参道には杉に囲まれた苔むした石段があり、梅雨どきや霧雨の朝には石の表面がしっとりと濡れ、緑が深く見えます。稲荷の神を迎えて始まった社で、土地の古い信仰を伝えるとともに、境内の森が市の自然の記念物になっていることでも知られています。
所在地とアクセス
小槻市の埴野町にあり、周囲には住宅地と田畑が広がっています。大きな境内ではなく、住宅地の道から一歩入ると、急に木立の影が濃くなるのが特徴です。参道の入り口から本殿までは石段を上がる形で、手水舎は石段の途中にあります。参拝者は近所の人が中心で、朝夕の散歩の折に立ち寄る人も少なくありません。駐車場はごく小さく、徒歩で訪ねるのが向いています。
歴史
社伝では、城山に祀られていた稲荷の神をこの地に迎えたのが始まりとされます。古くから由緒のある社として知られ、歴代の領主も崇敬したと伝わります。
明治になって、境内の東にあった神明社を合祀し、明治29年(1896年)に西稲荷社と改称しました。その後、近くの白嶺社と宇乃社も合祀し、明治40年(1907年)に現在の月見山神社となりました。いくつもの小さな社が一つに集められた経緯から、祭神は地域の複数の信仰が重なったものになっています。
境内の森(社叢林)
境内を包む森は、この神社でもっとも貴重なものとされています。近世の中ごろまで、この一帯は常緑の広葉樹が茂る自然の林でした。文政年間(1818〜1830年)のころに周辺が農地として開かれ、林は次第に姿を消しました。いまでは、この神社の社叢林が、土地本来の植生が残る唯一の場所になっています。
この森は昭和40年代に、小槻市の天然記念物(自然の記念物)に指定されました。参道には杉の高木が立ち、その根元や石段、石灯籠には苔が厚くついています。光は木々の間から細く落ち、段ごとに色合いを変えるので、写真を撮りに訪れる人もいます。
見どころと過ごし方
- 苔むした石段: 雨のあとや霧の朝がもっとも美しく、濡れた石と苔の緑が際立ちます。足もとが滑りやすいため、雨の日は注意が必要です。
- 杉と広葉樹の森: 夏でも境内は涼しく、季節ごとに葉の色や鳥の声が変わります。
- 手水舎と小さな社殿: 地域の人が掃除を続けており、早朝には箒を使う姿が見られます。
行事と地域とのかかわり
初午や正月の初詣には、近所の人が参拝に訪れます。秋には氏子が境内の落ち葉を集め、森を守る作業が行われます。小さな神社ですが、住宅地のなかに自然の林を残す場所として、散歩や静かな時間を求める人に親しまれています。
周辺
小槻市には、里山の公園や川沿いの遊歩道、海沿いの松林など、緑の多い場所が点在します。月見山神社は、そのなかでも住宅地に近く、気軽に立ち寄れる森の社として、市の暮らしに溶け込んでいます。