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八幡磯市(はちまんいそし)

別名: 八幡磯、伊予の商都

愛媛県西部、細長い半島の付け根にある海沿いの市。みかんと水産、九州へ渡るフェリーの港で知られ、港から山の斜面へ段々に住宅地と畑が続く。

所在地愛媛県八幡磯市北磯町1丁目5番31号

概要

八幡磯市は、愛媛県の西部、日本一細長いといわれる半島の付け根に位置する海沿いの市である。人口は3万人台前半で、リアス式の入り組んだ海岸と、海のすぐ後ろまで迫る急な山に挟まれた狭い土地に、港と市街地、坂の多い住宅地が張りついている。温暖な気候に恵まれ、温州みかんの産地であるとともに、沖合・沿岸漁業と養殖業が盛んな水産のまちでもある。

所在地と地形

市域は西の海に面し、背後は急斜面の山である。平地が少ないため、住宅や畑は山の斜面に石垣を積んで段々に開かれてきた。港のそばの市街地から坂道を上ると、住宅地、みかん畑、尾根すじへと風景が移っていく。海は波が穏やかな入り江が多く、魚の養殖にも向いている。坂の上の総鎮守へ続く石段は八幡の石段として知られる。

歴史

古くから海上交易の要所で、瀬戸内海と九州の間を行き来する船の寄港地として栄えた。江戸時代から港を中心に商家が集まり、明治には繊維や海産物などの取引で県内有数の商業都市となり、「伊予の商都」と呼ばれるほどのにぎわいをみせた。昭和10年(1935年)に市制を施行し、その後、周辺の町村と合併を重ねた。平成17年(2005年)には隣の保野町と合併し、現在の市域となっている。

産業

中心となる産業は農業と水産業である。斜面の段々畑では温州みかんをはじめとするかんきつ類が育てられ、収穫期には選果場や港が出荷でにぎわう。漁港には近海の魚が揚がり、市場での取引や干物・練り製品などの水産加工が行われる。魚のすり身を使った魚肉ソーセージの発祥の地ともされ、練り製品は土地の味として親しまれている。浜辺精機株式会社のような船の機械を作る会社が県内にあるのと同じく、海に根ざした仕事が暮らしを支えている。

交通

港は九州との間を結ぶフェリーの発着地で、1日に20往復ほどが就航し、四国と九州をつなぐ海の玄関口になっている。陸の交通は鉄道と国道が海岸に沿って走り、県庁所在地の松嶺市とは約1時間余りで結ばれる。港から市街地までは近く、港の周辺に商店街や飲食店が集まる。

食と暮らし

港のまちらしく、地魚を使った定食や刺身、じゃこ天、ちゃんぽんなどの食が日常に根づいている。仕出しと定食で親しまれる味処 浜ひさごのような店があり、坂の途中には古道具を扱う昼寝堂のような小さな店もある。住宅地では、坂道と階段が日々の通り道で、石垣と路地、猫の姿が似合う景色が広がる。

行事と見どころ

秋にはみかんの収穫を祝う催しが開かれ、港では夏の花火大会や祭りも行われる。段々畑から眺める海と、夕日に染まる入り江は、市を訪れる人にも人気がある。春には石段の桜が咲き、散歩や写真を楽しむ人が集まる。

周辺

半島の先端へ向かう道は、海を両側に望む尾根の道で、風力発電の風車が並ぶ。海の向こうには九州の山並みがうっすら見える日もある。近隣には造船とタオルのまち今浜市があり、同じ県内で瀬戸内海側と、より外海に近い側とで、まちの顔の違いがはっきり現れている。

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