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小浦市(こうらし)

別名: 小浦、若浦の港町

福井県南西部、若浦湾に面した人口約2万6千人の港町で、古い城下町の面影を残す市。干物やへしこ、焼き鯖などの水産加工で知られ、京斗へ魚を運んだ塩鯖の街道の起点でもある。

概要

小浦市は、福井県の南西部、若浦湾に面した人口約2万6千人の市です。面積は約233平方キロメートルで、入り組んだ湾沿いの海岸から、背後の山あいの集落までを市域にしています。古くから海産物を都へ送り出す港として栄え、江戸時代には城下町として発展しました。寺社や古い町並みが多く残り、京斗に通じる落ち着いた風情から、観光の町としても親しまれています。名産は干物、へしこ(魚のぬか漬け)、焼き鯖、練り製品などで、水産加工は今も市の暮らしを支えています。

場所と地理

北は若浦湾に開き、南と東は山地に囲まれています。湾は大小の入り江と岬が連なる複雑な地形で、天然の良港に恵まれ、断崖と洞門の景観が続く海岸もあります。市街地は湾の奥の平地に広がり、川沿いに旧城下町の通りと港が並びます。冬は日本海側らしく雪や時雨が多く、冬の海が魚の味を育てると言われます。夏は海水浴や釣りの客が訪れ、湾内の穏やかな海は養殖にも向いています。

歴史

古代には、朝廷に塩や魚などの食材を納める土地として知られ、「食の国」と呼ばれました。港は大陸や都をつなぐ海の玄関口で、国の役所や大きな寺が早くから置かれました。江戸時代には、譜代の榊井氏が約11万石で入り、小浦藩の城下町として町割りと港が整えられました。日本海を行き来する廻船の寄港地としても栄え、米や海産物の集散で商人の町が育ちました。明治以降は町村合併を重ねて現在の市域になり、昭和の戦後に市制を施行しています。

街道と食の文化

小浦から京斗へ、山越えで魚を運んだ道は、塩をした鯖を担いで一昼夜で届けたことから「塩鯖の街道」と呼ばれました。運ばれる間に魚にほどよく塩がなじみ、京斗では祭りやごちそうの席に欠かせない味になったと伝えられます。このように、塩と時間を使って魚を保存し、おいしく仕上げる技が、干物やへしこといった今の名産につながっています。へしこは、塩漬けにした鯖やいわしをぬかに半年から一年ほど漬け込む保存食で、焼いてもお茶漬けにしても味わわれます。

産業

市の産業の中心は水産加工です。港で水揚げされた魚を、干物、へしこ、練り製品などに仕上げ、卸売や通販で全国へ届けています。たとえば小浦海産株式会社は1948年創業の水産加工会社で、干物とへしこ、練り製品を手がけています。縫製業も根づいており、浦手縫製株式会社のように作業着や寝具の縫製を行う工場があります。このほか、民宿や旅館による観光、湾内での漁業と養殖が、市の暮らしを支えています。

見どころと行事

旧城下町には古い寺社や土蔵、石畳の路地が残り、港の近くには朝市や魚を扱う店が並びます。住宅地の外れには、近所の人が日々お参りする西峰神社のような小さな神社もあり、まちの暮らしに溶け込んでいます。春と秋には各地で祭礼が行われ、冬には雪の中で味わう魚料理が人気です。海岸では断崖や洞門を巡る遊覧船が出て、湾の景色を海側から眺められます。

交通と周辺

鉄道と国道が湾に沿って走り、京斗方面とは山越えの道や自動車道でつながっています。かつての塩鯖の街道は、いまも歴史の道として歩く人がいます。周辺には、同じ福井県内で眼鏡づくりが盛んな鯖尾市などがあり、海と山、ものづくりの土地が隣り合っています。

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